第38回 モータ技術シンポジウム 副委員長インタビュー

アイダエンジニアリング株式会社
開発本部 製品開発室 顧問 森永 茂樹
モータ技術シンポジウムでは、応用分野での実例発表が予定されています。応用分野の現状について、シンポジウム副委員長の森永氏に伺いました。

【インタビュー記事(PDF)】TECHNO-FRONTIER 2018 モータ技術シンポジウム
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──今回のモータ技術シンポジウムの特徴はどんなところでしょうか?

いくつかありますが、ひとつは今の主流といえる磁石モータの最先端の応用技術を取り上げているセッションではないでしょうか。例えばB4「航空機の電動化とモータの技術動向」やC2「リニアモータ」等があります。あとは、やはり次世代自動車関連のセッションもかなり充実していますので、多くの関心が集まると思います。自動車産業は広大な領域で、日本は自動車産業に寄るところが大きいですし、グローバルな市場規模が期待されています。

電気自動車への注目が非常に高まっていることで、磁石モータの活用はさらに活発になっていくと思います。

──電気自動車のモータ開発には期待がかかりますね?

私もこれまで自動車分野で開発に取り組んできましたが、ハイブリッド自動車で使うモータは、搭載する空間に制約がありました。「このスペースになんとかモータを入れて欲しい」という要望でした。それが電気自動車になると、エンジンが無いので、空間的な制約は少なくなり、モータの可能性が広がります。自由な発想でモータを開発することができるので、今後はいろんな種類のモータが活用されるかもしれません。

それにより、電気自動車自体にもいろんなバリエーションができて、メーカー各社よって全然違うものが開発されるかもしれません。

──これからのモータ開発における課題はなんでしょうか?

モータにはいろんな要素が求められます。今回のシンポジウムでも、C1「低NV」で取り上げられているように、振動・騒音の抑制、高品質化等といった基本性能の向上はモータの永遠の課題です。

また一方では、様々な応用分野への対応も課題です。あらゆるところでモータが活用されていますが、今は「モータ技術とはこういうものです」と限定して言うことができません。モータの用途別に深い専門性が求められ、それぞれの応用分野に特化したモータを作らないとマーケットの中では勝てません。

昔のモータに比べれば、今のモータの性能は飛躍的に向上しています。例えば、30~40年前の磁石モータはオーディオに使われるような小さいサイズのもので、容量も大きくありませんでしたが、それがだんだんと性能が向上し、用途も広がっていきました。まさに技術革新ですね。

今もいろんなモータが検討され、提案されていますし、モータの進化は今後も続くでしょう。モータが鍵となる今後の技術革新には大いに期待しています。

ただ、モータ技術への関心は高まっている一方で、モータに関わるエンジニアの不足という懸念があります。

──モータの活用が進んでいるのに、エンジニアが足りないという事ですか?

今後、モータの活用範囲が広がれば、モータに長けた人材が各分野でますます必要となっていくと思いますが、モータを良く理解しているエンジニアそのものが少なくなっているような気がします。産業界でも人材不足を感じていますが、そもそも大学でモータを研究している人自体が少なくなっており、将来的には絶対数が足りなくなると思います。「これからどんなモータを開発しようか?」と考えた時に、自分一人で考えることは難しいでしょう。

会社の中に経験を積んだモータのプロフェッショナルがいればいいのですが、モータのことを総合的に知っている人が少なくなってきているのではないでしょうか。

──モータエンジニアの不足は実に心配ですね。そういった意味でもこれから貴重となる、モータ技術シンポジウムの参加者の方々にメッセージをお願いします。

今年のモータシンポジウムのプログラム構成は、先ほどご紹介した応用分野の他、モータ製造技術や、基本性能を追求するセッションなど、モータを様々な視点から研究できるバランスの取れた構成になっています。そういった意味で、モータ技術の大きな流れを知ることができ、さらには分野別に詳しく勉強することができるこのシンポジウムは、エンジニアにとって非常に有意義な場だと思います。

会社の中だけでは、モータの知識を深めることは難しい場合もありますので、このようなシンポジウムを利用するのは効率的です。

このシンポジウムの発表者は、モータ技術の最先端で活躍されている方々ですので、その発表を聞いていただければ、モータの知識が深まるだけでなく、実際の設計に役立つ情報を得ることができます。

参加者の皆様には、このシンポジウムで得た事を、ぜひ実践で活かして頂きたいと思います。

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