R&Dイノベーションリーダー交流フォーラム パナソニック 加藤氏 2/3

パナソニック株式会社 IS社
エナジー事業開発センター エナジー事業開発1部 部長 加藤 正樹

リーダーシップに必要な要素とは?

──こういうのが必要かな、という要素のようなものがもし見えてきているとすれば、強いて言えばどういうところでしょうか。

何事もそうですが、新たな価値を創出するとか、新しいことをやろうとしたとき、1人では成し得ません。必ず周囲を巻き込んでいく必要がありますね。自分が起こそうとしている変化に周囲が協力してくれるか否かは、大きなカギです。

そのときの仲間づくりで基本となるのがリーダーシップだとハイフェッツ教授は論じていると解釈しています。
どれだけ人を巻き込める力があるか、です。

変化に協力してもらうには、相手の心を動かす必要があります。相手の心に響くためには、相手の立場に立たたなければなりません。価値や変化の必要性を理屈で論じるのではなくて、その価値や変化を一緒に起こしたいとハートが動かなければ人は動かないということだと思います。そして、そのハートを動かすためには相手の損と得を理解しておく必要があります。

そのあたりを理解する上で、ゲスト講師のポーラ化成の末延さんがおっしゃっていた「相手の性善説と性悪説をうまく使い分ける」という言葉は言い得て妙でした。

もともと持っている規律や従業員・会社員としての当たり前の心構えと、とはいえ人間生物としての本音の部分とがあるので、その両方で納得・腹落ちしなければ人は動かないということと理解しました。プログラム後半におけるチーム検討で、私が属したチームでは、どうやって人を巻き込んでいくか、腹落ちをしてもらうことが如何に重要かについて皆で議論しました。


──「腹落ち」と大きく書いてありましたね。

そうですね。相手の立場に立って理解を求めることが非常に重要だと話し合いました。
この学びのお陰で、技術開発であろうとビジネス開発であろうと、周囲を巻き込んでいくことが重要であることについて、頭の中で明確に整理できました。

研修後のギャップの乗り越え方とは?

──フォーラムの内容を咀嚼されて、皆さんが持ち帰っていかれますが、「研修マジック」に陥られる方たちもいらっしゃいます。 研修のときは「そうだよね」となるのですが、それぞれの職場に戻ったときには、その理想と現実に直面し、ご自身が思っていることを実現できないというギャップがあると思います。それはどうしても起きてしまう面だと思うのですが、そういう時に加藤さんはどのようなことを心掛けていらっしゃいますか。

実は、研修内容を実務で活かす上でのギャップはあまり感じなかったというのが正直なところです。
意識的ではないのですが、受講の時点でギャップがないところまで噛み砕いたからかも知れません。

私の部門のメンバーもいろいろな研修やセミナーを受けるのですが、受けてもらう前に、あらかじめ何を期待して受けるのか、何をそのセミナーで得るつもりなのかというのを最初に書いてもらっています。

研修だけでなく、会議やお客さんとお会いするときも、ミーティング前に、どんな情報を入手するのかという予定を準備してもらっています。ミーティング後には、実際に得られた内容とで答え合わせしてもらいます。
そして、答え合わせの後で「じゃあ私はこれから何するのか」ということまで書いてもらっています。最初のインプット予定と実際のインプット、そしてその後のアウトプットまでで、一連の流れとしています。

今回のフォーラムでも、得たいもの、得たもの、どう活かすか、というのが提出シートになっていました。林先生は実務に活かすことを意識されていたのだろうと思っています。

私自身、フォーラムでの学びや気づきに対して、こう活用しよう、というところまで落とせていました。このため、「聞いた話は美しかったけれど、現実はギャップがあるよね」という感覚にはならなかったです。むしろ、理想と現実にはギャップがあって当然、くらいな感覚です。

自分がどう活用するか、ということについては、ノートへの書き込みがたくさん残っています。このノートは財産であり、私の行動指針です。

──そのノート見たいです。

大久保先生の本を読んだまとめなどもノートに書きましたし、その上で自分がどう実践するかの計画のような内容も書いています。
せっかくお金をかけたのだから使わないのは損なので、学びを使えるようにするアレンジをしたわけです。その結果、研修と理想のギャップを感じなかったのだと思います。そのアレンジの仕方が正しいかどうかはわかりません。そこは自分さえ良ければ良い、と割り切っています。

──それは非常に参考になります。

後から効いてくるフォーラム内容とは?

──私たちとしてはゲスト講師をお招きして、あとは皆さまに委ねている部分が非常に大きいプログラムです。フォーラムに参加した後、皆さんが得たものを職場で活かせるのかについて検証が難しいので、少し不安な部分がありました。

そういう意味で言うと、立場によって違うかもしれません。

部下を持ってチームをまとめている立場の方と、メンバーとしてやっておられる方と2種類おられると思うのですが、今回のフォーラムですと、いろいろなところで挙がってくるのは、メンバー視点ではなく、リーダー視点でした。リーダーの立場の方にとっては実践的だったと思うのですが、メンバーの立場だと自分ごとではなく、その上司のことになります。
「ゲストでお話しいただいたようなCTOはあんなことを言っているけれど、自分のリーダーはこうじゃない」といったジレンマは発生するかもしれませんね。

ただ、今は納得できなくても、自分にリーダーシップが必要になったときに振り返ってみれば、必ず役に立ちますよと言いたいです。今日・明日の話ではないかもしれないけれど、しばらく待ってごらんなさいと。リーダーシップを必要とする方であれば、この研修が良かったと思える日は来ると思います。

私もこれまで様々な研修等を受けましたが、すぐに役に立つことばかりではなくて、何年かしてから「あれ?何かこれ既視感あるな。あの時のあれか!」というようなことがあります。当然このセミナーも、事業としてやっておられる日本能率協会さんからしてみれば、即効性と満足度が高いほうが当然良いに決まっているとは思うのですが、必ずしもビジネスセミナーはそうではないですよね。

──じんわり効くものを目指したいなと思っています。

おやじの小言と冷酒は後で効く、といいますから(笑)。

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